読者インタビュー

2016.08.18

わたしの日刊工業新聞 活用法(9) 高知工科大学地域連携機構長・木村良さん

 

 「基礎研究に光を当ててくれる」

 高知工科大学は2009年の公立法人化を機に地域との連携をいっそう深めるため、地域連携機構を立ち上げた。連携に特化した研究室と地域をマネジメントする研究室を集約し、大学と地域産業、社会をスムーズに結びつける役割を担う。高知工科大の地域連携機構長で研究本部長も務める木村良さんに日刊工業新聞の活用法を聞いた。

 -日刊工業新聞との出会いはいつですか。

 「おそらく大学3年の研究室配属時。ただ意識して読み始めたのは科学技術庁(当時)に入ってからのことだ。科技庁の記者クラブで日刊工業新聞社の記者といろいろなせめぎ合いがあった。日刊工業新聞の1面に記事が出ると影響が大きい。当時はいろいろショックを受けたものだ」

 -読者として日刊工業新聞はいかがですか。

 「持ち込まれたニュースを派手に書くのではなく、まじめに取材し、裏付けまできちんと書いている印象。大学に来てからは目立たない基礎研究を取り上げてくれる媒体としてお世話になっている。11年には魚の鮮度保持に最適な氷を作れるスラリーアイス製造装置がモノづくり連携大賞を受け、受賞した先生がブレイクするきっかけにもなった」

 -大学面を設けています。

 「今、公立大学は増え過ぎた状況にある。近いうちに国立大と同様、改革の嵐にさらされるのではないか。だから他大学が何をしているか関心がある。事務局に日刊工業新聞を毎朝チェックする担当を置き、重要な情報は学内で共有している」

 -今後、読みたい記事と、大学生を読者に取り込むヒントがあれば教えてください。

 「宣伝下手で埋もれているような企業や大学研究者の話題を取り上げ、伝えてもらいたい。また若者は自分が紙面に出ると関心を持つ。参画意識を持たせることが大切だ。『リケジョ小町』のような記事で学生を取り上げていけば、同世代の読者も増えるのではないか」

 -ありがとうございました。


 

【略 歴】木村良(きむら・りょう) 1973年東北大学工学部電子工学科卒。74年科学技術庁入庁、2004年原子力研究開発機構理事、07年科学技術政策研究所長などを経て10年から高知工科大学総合研究所長、現在に至る。神奈川県出身、65歳(2016年8月現在)。

【高知工科大学地域連携機構概要】

名称

 高知工科大学地域連携機構

代表者

 木村 良氏

所在地

 高知県香美市土佐山田町宮ノ口185

URL

高知工科大学URL: http://www.kochi-tech.ac.jp/

高知工科大学地域連携機構URL:http://chiikirenkei.org/

研究内容

 地域連携の推進、地域課題の解決、人材育成

インタビュアー:松山支局

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