読者インタビュー

2022.04.25

わたしの日刊工業新聞 活用法(83)株式会社明和製作所 代表取締役社長・生野 岳志 氏

情報発信 全国で読まれる

 モーターのプロ集団-。それが明和製作所だ。顧客の要望に応じて専用設計した最適な一品を提供する。電動工具をはじめ、ポンプ、遠心分離機、綿菓子製造機、ピッチングマシンなど搭載機器のすそ野は広い。代表取締役社長の生野岳志さんに日刊工業新聞の魅力などについて聞いた。

―IPM、SR、整流子などさまざまなタイプのモーターや減速ユニットを手がけていますね。

 「1959年の創業からこの間、技術を磨き続けてきた。軸・歯車加工、熱処理・研磨などの設備を整えており、設計から機械加工、巻き線・組み立て・塗装までの一貫体制を確立している。1台の試作品、数千台の量産品、OEM(相手先ブランド生産)に対応できる。モーターや減速ユニットのほか、グループ会社で電動ビジネススクーター『MELMO』も展開している」

―産学官連携に積極的ですね。

 「福岡工業大学と小型EV用レアアースフリーモーター、東京工業大学とSR発電機、九州大学と小型水力発電機を開発した。また国の戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)で、九州工業大学などとアルミダイカスト鋳造技術を研究した。これからも環境負荷の低減に貢献できる製品・技術を開発したい」

-日刊工業新聞には連携の事例や環境技術の記事が掲載されています。

 「そうした記事を読むと刺激を受ける。またユーザーや競合他社の記事は必ず目を通しているし、最終面の『深層断面』、業界特集などで産業界の動向をつかんでいる。何より全国の中小企業の活動を取り上げているのが魅力だ。従業員にも読んでほしくて、共有スペースに置いている」

-19年に連載「私の流儀」(現在は休止)で社会人としての半生を振り返っていただきました。

多種多様なモーターを手がけている
多種多様なモーターを手がけている

 「ヤマハで英国駐在したこと、明和製作所で改善活動『明和維新』を推し進めたことなどを載せてもらった。ヤマハ当時の仲間から『読んだよ』などと反響があり、うれしかった。会社のアピールにもつながった。日刊工業新聞が全国で読まれていることを実感した」

-中小企業は情報発信することも大切ですね。

 「取材依頼があったら前向きに受けているほか、広告も出稿している。また20年から『技術者ブログ』を始めた。各部門の担当が持ち回りで自分の仕事についてつづっている。製品・技術情報だけではなく、姿勢や熱意も感じてほしい。ホームページのアクセス数が伸び、手応えを感じている」

-本日はありがとうございました。


【略歴】1986年大阪外大(現阪大)英語学科卒、同年ヤマハ入社。05年立命館アジア太平洋大院経営管理学修士修了、同年明和製作所入社。06年社長。大阪府出身、59歳(22年4月現在)。

【企業ファイル】

名称株式会社明和製作所
代表者生野 岳志
所在地福岡県福岡市糸島市志登130-1
URLhttps://www.meiwa-ss.co.jp/
事業内容電気モーターおよび部材・応用製品の設計・製造

インタビュアー:西部支社

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