読者インタビュー

2022.01.31

わたしの日刊工業新聞 活用法(80)三洋金属工業株式会社 代表取締役・下大川 丈晴 氏

下大川 丈晴

社内報づくりのお手本に

 三洋金属工業は金属プレス部品と樹脂を一体化するインサート成形加工などを手がける。試作から金型製作、量産までを一貫提案できるのが強み。自社製品も展開している。代表取締役の下大川丈晴さんに日刊工業新聞の魅力などを聞いた。

―SANグループによる一貫体制が強みですね。

 「金属プレス加工の三洋金属工業、樹脂成形加工の三晴プラスチック、試作のマクティの三位一体で事業展開している。自動車用の端子などの複雑形状部品をはじめ、各種部品の試作・量産、OEM(相手先ブランド生産)を手がけ、受注のすそ野を広げてきた。断熱ボード材固定用ナットなどの自社製品にも力を入れている」

―コロナ禍により、社会や産業界が大きく変わりました。

 「市場に変化が生まれた。これまでは大手企業で占められていた市場に中小企業が参入できるチャンスが巡ってきたと感じている。コロナ禍をピンチではなくチャンスととらえて挑戦する」

-日刊工業新聞のどこに魅力を感じていますか。

 「モノづくりに関する記事が多いのが魅力だ。特集や広告からも情報を得られる。ゆっくりと時間をかけて読むことで、必要な情報を消化している。また社員教育にも活用している」

-具体的にはどう活用されているのですか。

自社製品の断熱材ナット
自社製品の断熱材ナット

 「入社3年目まで年4回発行の社内報を担当させており、日刊工業新聞を記事の書き方や写真掲載、ページレイアウトなどのお手本にさせている。学生のころにあまり新聞を手にしていなかった新入社員も少なくないので、まず時間を見つけて目を通すように勧めている。記事が簡潔にわかりやすく書かれていることなどを実感させて、新聞を読むことへの抵抗感を減らすのが大切だ」

-成果はありましたか。

 「休憩室で新聞を読んでいる姿、社内報の参考にしようとスクラップしている姿を見ると、皆の成長を感じる。ただ社内報づくりは新聞を読むきっかけにすぎず、習慣にするかしないかは自主性に任せてきた。来年度からは習慣になるような取り組みを始める」

-企業スローガンとして「人の成長なくして技術の成長なし」と掲げています。

 「新聞を読むことなどを通じ、情報を収集、分析し、発信することを学び、仕事に生かしてほしい。 SANグループの究極の目標は”人づくり“だ。これからも優れた人材を育てたい」

-本日はありがとうございました。


【略歴】1994年法政大社会卒。2000年三洋金属工業入社、02年専務、17年社長。大阪府出身、50歳(22年1月現在)。

休憩中に読んで気分転換

 入社5年目を迎える営業部開発課開発本部の高原一暢さんに日刊工業新聞の活用法などを聞いた。

高原さん

―日刊工業新聞をお手本にして社内報を制作したそうですね。

 「はい。それがきっかけで、休憩時間などに日刊工業新聞を読むのが習慣になりました。いい気分転換になります。全ページに目を通し、気になった見出しや写真の記事を読みます。科学技術が好きなので、仕事とは直接関係ないのですが、たんぱく質の分析装置や固体酸化型燃料電池(SOFC)などの記事が印象に残っています」

―お仕事には役立っていますか。

 「例えばSANグループは廃プラスチックのリサイクルを内製化しており、再生プラを用いた新製品の開発に取り組んでいます。このためリサイクルや国連の持続可能な開発目標(SDGs)に関する記事を参考にしています。日刊工業新聞は関連情報を業界横断的に収集できるのが魅力ですね。また仕事に役立ちそうな記事や技術の記事を読んだら、関連する学術論文も探します。情報を仕事に生かすには、より深く、しっかりと記憶に残すことが重要です」

-画期的な新製品に期待しています。本日はありがとうございました。

【企業ファイル】

名称三洋金属工業株式会社
代表者下大川 丈晴
所在地大阪府門真市柳田町17-7
URLhttp://san-kk.co.jp/
事業内容精密金属プレス加工、精密金型設計・製作ほか

インタビュアー:大阪支社

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