読者インタビュー

2021.12.29

わたしの日刊工業新聞 活用法(79)株式会社精電社 代表取締役社長・大庭 克彦 氏

大庭 克彦氏

ひらめきを得るチャンス

 精電社は新聞輪転機・搬送装置向け制御盤の設計・製作を通じ、新聞づくりに一役買ってきた。近年はそのノウハウを生かし、取引先のすそ野を広げている。社長の大庭克彦さんは地域貢献のため、本社を置く福岡県糸島市の学生を積極的に採用している。日刊工業新聞の魅力などを聞いた。

―複数の設備を同時にコントロールする制御盤は、生産の自動化に欠かせませんね。

 「制御盤は用途に応じてさまざまな電気機器が組み込まれている。それだけに、設計力が試される。1973年の創業からこの間、こうしたノウハウを蓄積してきた。制御の〝司令塔〞であるプログラマブルロジックコントローラー(PLC)のプログラミングを含めて一括受注できるのが強みで、現場に合わせて生産性の向上やコスト削減を提案できる」

―新規取引先の開拓に力を入れていますね。

 「西研グラフィックスの輪転機・搬送装置向け制御盤が事業の柱で、このほかの機械メーカーからの依頼も手がけている。ここ数年、工場の生産ラインなどの産業用設備向けも受注している。多種多様な設備、急な仕様変更などに対応することで、力がついてきたと感じる。既存取引先を大切にするとともに、新規取引先を増やしたい」

―99年に博多から糸島市に本社を移転しました。

 「父で会長の文勝が『故郷に恩返ししたい』との思いで移転した。恩返しのひとつで、地元の高校から毎年1―2人を採用している。モノづくりに興味があることを重視しており、普通高校や工業高校だけではなく、農業高校の学生もいる。先輩の技術者が資格取得のための勉強を教えており、みんな頑張っている。一歩一歩、成長してほしい」

―日刊工業新聞を長くご愛読いただいていますね。

電気機器が組み込まれている制御盤
電気機器が組み込まれている制御盤

 「理事を務めている『福岡市機械金属工業会』で勧められたのがきっかけで、もう5年ほど購読している。全国の中小企業や新技術の記事を読むと刺激を受けるし、ひらめきを得るためのチャンスだと思っている。また工業会の会員企業の記事が掲載されていることもあり、『載っていましたね』などと話題にもなる」

―日刊工業新聞のどこに魅力を感じていますか。

 「やはりモノづくりの情報が豊富であることだ。他紙にはない情報が多いし、業種・分野別の紙面構成なので、業界の動向もつかみやすい。業界・設備の特集もあるので、仕事後にゆっくり読むようにしている。また広告も『お、安い』なんて感じで、けっこう役に立っている」

―本日はありがとうございました。


【略歴】1995年九州産業大工卒、同年不二精機入社。2000年精電社入社、16年社長。福岡県出身、50歳(21年12月現在)。

【企業ファイル】

名称株式会社精電社
代表者大庭 克彦
所在地福岡県糸島市志摩馬場338番地
URLhttps://seidensha-net.co.jp/
事業内容産業用設備向け制御盤の設計・製作

インタビュアー:西部支社

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