読者インタビュー

2019.08.30

わたしの日刊工業新聞 活用法(51)眞和興業株式会社 代表取締役社長・眞野 和博 氏


眞野 和博社長

ニュース深掘り 解説が魅力

 眞和興業は溶融亜鉛メッキで〝鉄を錆から守る〟ことを掲げている。高温で溶かした亜鉛に鋼材を浸し、亜鉛皮膜を形成する。すると沿岸・山間部といった厳しい自然環境下でも鉄塔や橋梁が腐食しないようになる。5月に新本社工場が稼働し、さらなる飛躍を期す代表取締役社長の眞野和博さんに、新工場への思い、日刊工業新聞の魅力などを聞いた。

  ―真新しい工場は気持ちいいですね。それにしても本社工場の移転は大きな決断だったと思います。

 「約15億円を投じた。溶融亜鉛メッキ事業は公共工事の影響を受けやすいし、受注量も右肩上がりというわけではない。それでも決断したのは、次世代のためだ。メッキ業界は人手不足が深刻さを増しているだけに、全員が『働き続けたい』と思える会社にしたかった。また現在、専務に就いている息子の祥典(写真右)に事業基盤を整えてから承継したかったということもある」

 ―メッキの加工能力が約1・5倍の月1200㌧になり、事業成長の基盤が整いました。環境マネジメントシステム「エコアクション21」を取得していることもあり、環境対策にも力が入っていますね。

 「同業と比べて過剰と言われるぐらいの対策を講じた。例えば重油から都市ガスに燃料転換したほか、溶解炉の排熱で薬品槽を加温するなど熱効率を向上した。これらにより、二酸化炭素(CO2)排出量を削減した。また排水を排ガス浄化装置で再利用できるようにして水使用量も減らした。さらに製品と治具をそれぞれ別の槽で洗浄し、産業廃棄物だった廃酸をリサイクルして前処理薬品として活用している。資源循環型社会の形成に向け、業界のお手本になるような工場になったと自負している」 

 ―日刊工業新聞はビジネスに役立っていますか。

 「商売柄、商品市況面の主要材料・製品卸相場をチェックする。また素材面に非鉄・金属関連の取引先や同業が掲載されていることが多いので、参考にしている。一般紙や専門紙の情報もチェックしつつ、日刊工業新聞でニュースを深掘りした解説などを読んでいる」

新工場のメッキ槽

新工場のメッキ槽

 ―解説が魅力の一つですね。

 「愛知県にはモノづくり企業が多く、自治体も産業振興に力を入れている。こうしたローカルの動きや地域経済の先行きをキャッチしつつ、グローバルの動きも把握したいと思っている。例えば米中貿易摩擦などの世界情勢の大きな流れの中で、わが国の産業がどのような影響を受け、どの業界、どの企業に影響が及ぶのかといったことが気になる。解説は、こうした興味に応えてくれる」

 ―本日はありがとうございました。

 


 

【略歴】高校卒業後、商社勤務を経て1985年に眞和興業入社。1990年に代表取締役社長に就任。愛知県出身。67歳(2019年8月現在)。

 【企業ファイル】

名称

眞和興業株式会社

代表者

眞野 和博

所在地

愛知県江南市安良町池尻80

URL

http://www.shinwa-made.co.jp/

事業内容

建設土木関連の鉄鋼製品の設計製造 と溶融亜鉛メッキ加工

インタビュアー:名古屋支社

バックナンバー