読者インタビュー

2018.08.03

わたしの日刊工業新聞 活用法(39)日本電鍍工業 代表取締役・伊藤 麻美氏


「“十社十色”の経営を知る」

  日本電鍍工業は貴金属の厚メッキ加工で、業界でも一目置かれる存在だ。一点モノから量産品までの多品種変量に応じ、楽器、医療器具、電子部品といった製品をすべて手作業で仕上げている。代表取締役の伊藤麻美さんは、宝石鑑定士になるべく渡米していた。だが創業者である父、光雄氏の亡き後、後任社長の放漫経営によって社が倒産寸前にあることを知り、帰国して32歳の若さで代表取締役に就いた。

  ―就任後、3年間で黒字転換しました。畑違いだっただけに、苦労されたでしょうね。

 「業界のことはもとより、経営そのものがわかりませんでした。誰かに教えを請うわけにもいかず、自分で勉強しました。日刊工業新聞は業界と経営を知るための入り口になりました」

 ―経営者のインタビューや寄稿は役に立ちましたか。

 「経営者の思いが伝わる記事が興味深いですね。ただ経営は〝十社十色〟のため、それぞれ参考にはなりますが、お手本はないと思っています。『経営者が人としてどのような価値を生み出すか』を大切にしています」

 ―情報収集にはさまざまな手段がありますが、新聞には何を求めていますか。

 「事実であることです。日刊工業新聞社の記者は、取材したことを、正確に記事にしています。情報に無駄がありませんし、読み応えがありますね」

  ―従業員の皆さんも活用されていますか。

 「1週間分の新聞を読めるようにしており、特に営業部には『どんなに忙しくても見出しだけでも読むように』と指導しています。情報を持っていなければ、取引先との会話が成り立ちません。新聞を読むと読まないとでは、結果が変わります。読むことで興味の分野が広がり、学ぶ意識が生まれるし、能力の底上げにもつながります」

  ―手作業で加工しているだけに、技能伝承が欠かせませんね。

 「若手はメッキ加工の全工程を経験させています。現場での教育だけではなく、メッキ学校にも通わせています。多様な加工法を学ぶことで、新たな発想につながると期待しています。もっと〝人財〟を増やしたいですね」

  ―工場が清潔で、皆が生き生きと働いている姿が印象的でした。これからも役立つ情報を発信します。本日はありがとうございました。


 

【略歴】  伊藤麻美(いとう・まみ) 1990年に上智大学外国語学部を卒業後、ラジオのディスクジョッキーなどで活躍。2000年に日本電鍍工業の代表取締役に就任。東京都出身、50歳(18年7月現在)。

 【企業ファイル】

名称

日本電鍍工業株式会社

代表者

伊藤麻美氏

所在地

埼玉県さいたま市北区日進町1-137

URL

https://www.nihondento.com/

事業内容

電気メッキ・無電解メッキ加工

インタビュアー:本社販売局企画調査部

 

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