読者インタビュー

2017.04.13

わたしの日刊工業新聞 活用法(26) アスカコーポレーション社長・石岡映子さん

「新人勉強会で議論のネタに」 

 医薬・科学分野の翻訳を得意とするアスカコーポレーション。研究論文や報告書などの翻訳をはじめ、その後のプレスリリースやマーケティング文書までトータルに対応する。2017年2月からは米科学雑誌サイエンスの広告代理店業務を手がける。「新入社員には必ず新聞を読ませる」と話す社長の石岡映子さんに日刊工業新聞の活用法をうかがった。

 ―日刊工業新聞との出会いを聞かせてください。

 「5年ほど前に科学技術を担当する日刊工業新聞の記者と知り合ったのがきっかけ。すすめられて購読してみたら大手の経済紙と比べて読みやすかった。マクロよりミクロな記事の方が内容をイメージしやすく、身近なこととして理解できる。特に日刊工業新聞は他紙と比べ具体的に記事が書かれていて、わかりやすい」

 ―どのような記事が役立っていますか。

 「弊社が手がける翻訳は、医薬や科学の基礎分野が多い。将来、どのように役に立つかわからない薬の翻訳をしているため、仕事のモチベーションを保つのが難しい。新聞で大学や研究機関の研究が今後どう役立つかといった具体例を読むことで、私たちの業務が社会にどういった影響を与えていくかがわかるようになる。私たちの翻訳の先には新しい治療や薬を必要とする人が待っている」

 ―とくに興味を引かれる紙面や連載はありますか。

 「産業総合紙の日刊工業新聞は、記事だけでなく広告にも価値がある。企業が多くの費用をかけて新聞に広告を出すということは、それ相応の狙いがあってのこと。そこから企業の戦略を読み取ることができる。製薬業界以外の広告にも目を光らせている。IT関係の企業でも顧客になるかもしれないし、ビジネスに生かせる情報がどこに眠っているかわからない」

 ―ビジネスにどう役立てていますか。

 「新入社員には最初に『新聞を読め』と言っている。一年間は必須の業務だ。週2回始業前に行う新入社員の勉強会では、日刊工業新聞で読んだ記事をもとに議論する。情報収集力、自分の意見をまとめる編集力、そして相手に分かりやすく説明する能力をトレーニングするためだ」

 ―どのような効果がありましたか。

 「新入社員は新聞のネタをもとに順番に発表するため、普段から新聞を読まなければならない。それを繰り返すと、ちょうど1年で新聞が読めるようになり、意識して情報をとれるようになる。発表を聞く側も日頃から読んでいないと話についていけない。勉強会を通じて新人も中堅も意識して新聞を読むようになった」

 ―紙の新聞と電子新聞の読み分け方を聞かせてください。

 「紙の場合は記事の位置でニュースの重要性がわかる。また一つの記事を読むと周りの記事も目に留まり、まんべんなく情報をとれる。電子は過去の情報も含めて、欲しい情報に素早くたどり着くことができる。紙と電子はそれぞれ長所があり、うまく活用していきたい」

 ―ありがとうございました。


【略 歴】 石岡映子(いしおか・えいこ) 大学卒業後、インターグループ大阪本社入社。コンベンション運営、通訳翻訳、教育研修などの業務に携わる。1995年、“小さなトップ企業”を目指してアスカコーポレーション設立、社長に就任。兵庫県出身、58歳(17年4月現在)。

【企業ファイル】

名称

株式会社アスカコーポレーション

代表者

石岡映子氏

所在地

大阪府大阪市中央区平野町1-8-13 平野町八千代ビル9F

URL

http://www.asca-co.com/

事業内容

医薬・科学分野の翻訳、英文校正、テープ起こし、メディカルライティング、企画・編集、通訳

インタビュアー:本社販売局 

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