読者インタビュー

2016.06.17

わたしの日刊工業新聞 活用法(8) 桑名商事社長・桑名朗さん

「元気な企業の実話を読みたい」

 創立60周年を迎えた総合表面処理の桑名商事。有害物質とされる鉛などを含まない「無電解ニッケルめっき」をコア技術とする。自動車や医療、精密、半導体・電子関連などの部品に展開し、産学官の共同研究にも力を入れている。「改善提案型企業」を目指す社長の桑名朗さんに日刊工業新聞の読み方などを伺った。

-日刊工業新聞を30年以上にわたってご愛読いただき、ありがとうございます。

 「総合表面処理業の当社にとって産業総合紙である日刊工業新聞は心強い存在だ。顧客は1500社程度で業種が多岐にわたるため、日ごろの情報収集が欠かせない。日刊工業新聞はモノづくりを中心に技術開発指向の中小企業を重視しているほか、業種や規模を問わず前向きな企業が多く登場するため、参考になり刺激にもなる」

-紙面では、御社の技術開発のニュースも取り上げてきました。

 「栃木県産業技術センターとの連携による無電解ニッケルめっきの開発や、非晶質皮膜形成の電磁波シールド紙の開発など、いくつかのプロジェクトの成果を取り上げていただいた。中小企業の生き方を紹介する連載『不撓不屈』は、読み応えある企画だ。当社も2016年初頭にご紹介いただいた。若手記者が熱心に取材されていたのが印象的。私自身の肉声が載って正直、照れくさい部分もあるが、お客さんなどから『読んだよ』との反響をいただいてうれしい。元気な経営者の実話や失敗談をもっと載せてほしい」

-経済産業省の「元気なモノ作り中小企業300社」などにも輝きました。今後、どんな会社にしたいですか。

 「図面情報の分析や薬剤の調合にかかわる4年制大学卒や大学院卒の若手社員が増えているのは、ありがたいことだ。今後は彼らが主役となって会社を引っ張っていく。めっきには泥臭い現場がつきものだが、従業員がやりがいや働きがいを感じられる会社にしたい。それには他社に先んじて取り組むことが何より必要で、グローバルな発想や的確な顧客対応が重要だ。中小企業の海外展開事例をじっくり掘り下げた企画記事なども期待したい」

-お忙しいところ、ありがとうございました。


 【略 歴】桑名朗(くわな・あきら) 1975年(昭50)立正大学経営学部卒、78年桑名商事入社、86年取締役、96年社長に就任。神奈川県出身、64歳 (2016年6月現在)。

【企業ファイル】

名称

 桑名商事株式会社

代表者

 桑名 朗氏

所在地

 栃木県真岡市寺内1493-1

URL

 http://www.kuwana907.com/

事業内容

 無電解(化学)めっき・電気めっきを応用した総合表面処理業

インタビュアー:栃木支局

 

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